小さな、小さな花器。
漆の重なりは偶然の産物。
庭の雑草も見違える。
初めて腰を据えて大道芸を見る。
昼から飲んで、楽しんで。
遅ればせながら誕プレに、と、
友人から箸置きをいただく。
何とも憎めない表情の猫2匹。
食器の陰からちらりと覗くと、
これがまたたまらなく愛らしい。
茨城、福島、宮城、岩手と
太平洋沿岸を北上する旅をしてきた。
心のどこかを毟られながら、
それでも逃げずに向き合ってみた。
国道6号の緊張感。
乱立するクレーンと排気筒。
除染作業中の幟旗。
広大な更地とうずたかい盛土。
行き交うダンプと粉塵。
破壊されたままの校舎。
宙に浮いたレール。
ぱっくり割られた防潮堤。
新しい道と失われた橋。
塩害や火災で切られた樹々。
復興商店街の猫。
津波ここまでの表示。
おびただしい数の仮設住宅。
そして変わらぬ海。
誰にも愛でられることのない
福島の桜も、もう満開だ。